1601年9月1日(慶長6年8月5日)、松平直政は越前北ノ庄で生まれました。父は徳川家康の次男・結城秀康で、直政はその三男です。家康の孫である一方、父の秀康が一時期豊臣秀吉の養子だったため、徳川と豊臣の二人の天下人につながる家系に生まれました。
三男だった直政は、生まれた時点で父の本家を継ぐ立場ではありませんでした。大坂冬の陣で初陣した後、独立した大名として越前大野を与えられ、さらに信濃松本へ移ります。徳川一門の若い大名として、軍役だけでなく城下と領国を治める経験を重ねました。
1638年、直政は出雲松江18万6千石へ移され、松江城に入ります。山陰の要地に徳川家康の孫を置く人事であり、直政は松江藩松平家の初代となりました。その子孫は幕末まで10代にわたって松江を治めます。直政の誕生は、本家を継がない一門の子が、のちに一つの藩主家の祖となる出発点でした。